読了no.6-内定童貞(中川淳一郎)-
中川さんの文体は変な飾り気がなく、すっと入ってきて読みやすいです。自身の失敗談をまじえた展開がまた心地よく感じられます。彼の著作に「夢、死ね!」というタイトルのものがあり、作品紹介を見る限り引いていたので、こちらも手に取るまでに時間がかかりました。その作品紹介を以下に。
ー夢と自己実現の国、ニッポン
現在の日本は「夢」がやたらと優遇されすぎている。だが、夢を追い続けてきた結果、悲惨な目に遭った人々を私は散々見てきた。ミュージシャン、お笑い芸人、作家、司法浪人生、国家公務員試験受験生、学者、アーティスト、芸能人、起業したい人、フリーランスで自由に働きたい人―夢を簡単に煽って欲しくないのである。彼らがどんだけ「夢を持て」といったことばに騙されて悲惨な人生を送っているか! 本書で語るのは、そういったおとぎ話を真っ向から否定する、地に足の着いた仕事論である。さあ諸君、ワーク・ライフ・バランスに悩むのをやめ、「夢を諦める日付」を手帳に書き入れよう。仕事は元来、くだらないものなのだ。
とあり、かなりの現実主義者のように感じていたので自分のように無知な自分にはどう映るか不安でしたが、妙に肩に力が入っていたのをほぐしてもらった印象をうけます。嘘だらけがまかり通る就職活動というものを的確に指摘・分解し、合理的に乗り越える方法を目線を落として解説している良本です。
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